斎姫異聞シリーズ(いつきひめいぶんシリーズ)は、宮乃崎桜子による日本ライトノベル。イラストは浅見侑が担当している。講談社X文庫ホワイトハート講談社)より1998年4月から2003年8月まで刊行された。続編となる斎姫繚乱シリーズは同レーベルにより2003年12月から2008年10月まで刊行された。

あらすじ

時は藤原道長が権勢を誇る平安の都。希代の陰陽師安倍晴明は老いで衰え始め、都では魔物が跋扈していた。

寛弘2年(1005年)、正月。一介の中流貴族・源義明の許(もと)に、帝の妹の降嫁が決定した。

帝の仰せを断ることができようはずもなく、顔も知らない姫宮が自分の許へ降嫁される理由も解せず、妻を娶る実感も湧かないまま、姫宮を迎えることになった義明はしかし、すっかり宮の美貌の虜となる。

自らを神の子と言い、不可思議な力を持つ宮は、能力が失われることを危惧し、義明との夫婦としての契りを拒む。強要することもできず宮の意思を尊重する義明だが、ある夜、宮が部屋にいないことに気付く。巷では、深窓の令嬢の姫たちが魔物に襲われるという騒ぎが起こっており、義明も宮を心配し、捜し回っていると、白い汗衫姿の宮が上空を舞っていた。帰宅後尋ねてみると、宮は『遊びで魔物を狩っていた』と話すのだが……。

登場人物

  • 年齢は初登場時。声優はドラマCDのもの。
声優:皆川純子
主人公。16歳。表向きは円融上皇の皇女とされているが、実は天照大神の子だという。母親はかつて斎宮を務めた。不思議な力を持っており、身体は両性具有である。自らを神の子と称し、その力が失われることを恐れ、義明との契りを拒む。
大変美しい容貌をしているが、口は大変悪く、安倍晴明のことをクソジジイ、道長のことをタヌキおやじと呼ぶ。男性に顔を見られることに頓着せず、重家や山の阿闍梨との初対面の時こそ几帳越しだったが、面倒くさくなり直接会話をするようになる。
「火華鬼(陰姫)」に対して、「夜生輝(陽姫)」という名を持つ。
生まれたとき、既に父親とされる円融帝は出家しており、母宮との婚姻も正式なものではなかったため、正式な内親王の宣下を受けていない。
源義明(みなもと の よしあきら)
声優:関智一
21歳。宮の降嫁に当たり、従五位下・少納言の地位を与えられる。
文官であるが、先祖代々武芸の鍛錬に励んできた結果、自覚はないが、魔物を祓う破魔の力を有しており、聖結界を持つ。宮が降嫁先に義明を選んだのも、この力でいざという時に逃げ場にするためである。
宮の美しさに、純粋に一目惚れをし、本当に好きになるが、諸事情から契りを拒む宮の意思を尊重し、以後、禁欲生活を送る羽目になる。しかし、時々箍が外れてしまうことも…。
儀礼的なかしこまった事や和歌が苦手。一条源家は、元は宇多天皇を祖先とする。現在は、臣籍に下ったが、一門の男児は皆武芸に秀でており、義明自身、文官であるが、弓・剣などに秀でている。
ねこ
貴子が「内裏でたくさん生まれたから」と、宮の元に持ってきた猫。
カゲ
声優:櫻井孝宏
火華鬼(陰姫)。宮に瓜二つの銀髪の少年(普段は黒髪)。
宮同様に不思議な力を持つ。宮が生まれて間もなく、強大な力が収まりきらず、分け持つために影が実体化したのだと清明は語っていたという。宮とは互いを遊び相手に仲睦まじく過ごしてきたが、父母とも亡くなった後、宮だけが帝(一条帝)に引き取られる。宮と引き離されたのは、「正反対の属性を持つ2人が傍にいては災いをもたらす」という清明の判断で、カゲ自身は当時の関白道隆の猶子となった。道隆亡き後は、子息・伊周の元に身を寄せている。
弥卑人(やひと)
カゲの従者。長身で痩せぎすの男。
式神
宮が使役する式神
日曜星(ア)・月曜星(ソ)・羅睺星(ラ)・土曜星(シャ)・水曜星(ボ)・金曜星(シュ)・火曜星(ア)・計都星(ケイ)・木曜星(ボリ)。
藤原重家(ふじわら の しげいえ)
声優:森川智之
僧。美しい顔立ちをした青年。かつては、光少将とあだ名されたが、思うところあって出家を決意。義明の伯母が重家の乳母であったため、義明とは親友同士で、実の兄のように慕われている。妹は帝の女御。父親(堀川院顕光)は道長とは従兄弟同士、右大臣でもある。母親は内親王。
貴子(たかこ)
声優:雪野五月
義明の従妹。義明を慕っている。義明からは、年下の勝ち気なじゃじゃ馬娘としか見られていないが、知的な美人である。後に、後宮に出仕するようになり、やがて彰子に仕えることになる。
声優:遠近孝一
一条天皇。両親を亡くした宮を不憫に思い、妹として内裏に引き取った。
義弟となった義明を信頼しているが、宮の降嫁を勝手に進めてしまったことを申し訳なく思っている。
藤原道長(ふじわら の みちなが)
声優:若本規夫
清明の亡き後は、彼が信頼していた宮を頼ろうと思っていたが、怨霊騒ぎの時、助けるわけでもなくただ静観していたカゲを宮と勘違いし、以来宮を魔物の仲間=自分の栄華に仇なす者と見なすようになる。
敦康皇子
一条帝と皇后定子の間の皇子。母親の死後、道長が後見となっているが、良く思われていないことを感づいている。義明を慕っている。
安倍晴明(あべ の せいめい)
声優:喜多川拓郎
陰陽師。老いから来る衰えのため都を守る力が弱ってきている。宮を皇女として育てるよう進言した張本人。
山の阿闍梨(やまのあじゃり)
重家の師。80歳過ぎ。

既刊一覧

斎姫異聞シリーズ

斎姫繚乱シリーズ

ドラマCD

2005年に3巻が発売された。

  • 「斎姫異聞シリーズ I 斎姫異聞」(2005年5月20日発売)
  • 「斎姫異聞シリーズ II 月光真珠」(2005年8月20日発売)
  • 「斎姫異聞シリーズ III 六花風舞」(2005年9月25日発売)

脚注

  1. 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  2. 月光真珠 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  3. 六花風舞 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  4. 夢幻調伏 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  5. 満天星降 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  6. 暁闇新皇 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  7. 燐火鎮魂 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  8. 諒闇無明 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  9. 陽炎羽交 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  10. 花衣花戦 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  11. 宝珠双璧 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  12. 天離熾火 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  13. 斎庭穂垂 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  14. 貴人花葬 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  15. 幻月影睡 斎姫異聞”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  16. うたかた 斎姫異聞外伝”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  17. 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  18. 積善白花 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  19. 火炎藤葛 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  20. 龍棲宝珠 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  21. 怨呪白妙 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  22. 華燭恋唄 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  23. 歳星天経 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  24. 夜啼姫神 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  25. 紅蓮瞠目 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  26. 龍楼月陰 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  27. 月魄霊鏡 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  28. 望月弥栄 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。
  29. 神威天想 斎姫繚乱”. 講談社. 2023年12月26日閲覧。