西日本旅客鉄道 > 嵯峨野観光鉄道

嵯峨野観光鉄道株式会社(さがのかんこうてつどう、: Sagano Scenic Railway Co.,Ltd.)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の完全子会社で、京都府京都市本社を置き、嵯峨野観光線(トロッコ列車)の運営などを行う企業である[7]

概要

1989年平成元年)3月に電化準備及び複線化のため新線に切り替えられて廃止されたJR西日本山陰本線嵯峨駅 - 馬堀駅間の旧線を、観光専用鉄道として利用するため、1990年(平成2年)11月に設立された企業である[5]1991年(平成3年)4月に開業したトロッコ嵯峨駅 - トロッコ亀岡駅間の嵯峨野観光線の運営のほか、2003年(平成15年)4月からはトロッコ嵯峨駅に隣接して建設された19世紀科学技術芸術を展示する「19世紀ホール」、2011年(平成23年)3月からはトロッコ嵯峨駅に設けられたジオラマ・京都・JAPANの運営も行っている[5]日本民営鉄道協会にJRグループおよびその関連会社として唯一加盟している[9]

歴史

  • 1990年(平成2年)
  • 1991年(平成3年)4月27日:山陰本線旧線を嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線としてトロッコ嵯峨駅 - トロッコ亀岡駅間が開業、トロッコ列車運転開始[5]
  • 2002年(平成14年)11月:イメージキャラクター「トロッキー」登場[5]
  • 2003年(平成15年)4月:トロッコ嵯峨駅前に19世紀ホールがオープン[5]
  • 2011年(平成23年)3月1日:トロッコ嵯峨駅にジオラマ・京都・JAPANがオープン[5]

歴代社長

  • 初代:長谷川一彦
    • 1971年、神戸大学大学院卒業後、日本国有鉄道に入社[12]
    • 1990年、JR本社から嵯峨野観光鉄道の社長に異動[12]
    • “3年もてば充分。潰れてもおかしくない!”とまで言われていたが、この逆境を乗り越え、初年度に計画の3倍に当たる69万人の観光客を集め、売上高3.8億円を記録[12]
  • 西田哲郎
  • 井上敬章
  • 三戸尉行

営業路線

保有車両

開業以来、ディーゼル機関車客車の編成で運行している[13][14]。DE10形ディーゼル機関車とSK100形・SK200形客車は開業時に用意された車両である。後年利用者増加に伴いSK300形客車が増備された。

DE10形・SK100形・SK200形・SK300形とも2026年で運行を終了し、翌2027年から新型車両の導入が予定されている[15]

機関車
  • DE10形 (1104)
    • 動力車として運用されるディーゼル機関車で、JR西日本から譲受した1104号機1両が在籍する。
    • また、予備機としてJR西日本所属の1156号機が1104号機と同塗装に変更されている[16]
気動車
  • DEC743形(1001)
    • 2027年から動力車として運用を開始する予定のハイブリッド気動車[17]、嵯峨野観光鉄道初の新製車両となる。
    • また、予備車としてJR西日本所属の7・8が同塗装となっている。
客車
  • SK100形 (1・2・11)
    • 普通車両として運用される客車で、JR西日本から譲受したトキ25000形貨車の改造車である。当初は3両在籍するうち1・2が窓なし、11が窓付きという区分があったが、その後のリニューアルによっていずれも窓付きとなったため外観上の差異はほとんどない。
  • SK200形 (1)
    • 普通車両ならびに下り運転時の制御車として運用される客車で、SK100形と同じくJR西日本のトキ25000形貨車の改造車である。当初は窓なしだったが、その後のリニューアルによって窓付きとなった。
  • SK300形 (1)
    • オープン車両「ザ・リッチ」として運用される客車で、1998年に導入された。他の客車と同じくJR西日本のトキ25000形貨車の改造車である。

19世紀ホール

2003年(平成15年)4月にトロッコ嵯峨駅に隣接して建設された19世紀ホールには、蒸気機関車に加え、歴史的ピアノ、大型オルガンなどの楽器が展示されている[18]。蒸気機関車はC56形98号機C58形48号機若鷹号の4両が静態保存されているほか、D51形603号機の一部、C11形C57形動輪の実物を使ったオブジェがある[18]。楽器はハプスブルク家紋章が入ったベーゼンドルファー・インペリアルモデル、大型アーレンオルガンが展示されている[18]。2004年(平成16年)から屋外に静態保存されていたD51形51号機は老朽化のため2019年(令和元年)12月で展示を終了し[19]、解体されると報じられ[19]、2020年に解体された。

19世紀ホールに展示されている蒸気機関車
19世紀ホール前にある動輪のオブジェ
19世紀ホール内部
C56 98
C58 48
D51 603の一部
D51 603の一部(後ろから見る)
若鷹号
D51 51とサクラ

テレビ番組

  • 日経スペシャル カンブリア宮殿 廃止された路線を"観光鉄道"へ...人が集まらない所に、人を集めろ!!(2012年5月3日、テレビ東京)- 嵯峨野観光鉄道 社長 長谷川一彦が出演[12]

受賞

  • 2011年 - 「嵯峨野トロッコ列車と保津川下りの自然や地域社会との『共生』を図りながらのおもてなし活動」で京都ブランドのイメージアップに貢献したとして「京都創造者大賞」を受賞[12][20]

脚注

  1. “風感じ揺られ味わう京の四季 トロッコ嵯峨駅(京都府、嵯峨野観光線)”. 朝日新聞デジタル. 2011年8月30日. 2023年1月23日閲覧. 週1度の運休日は、本社のあるトロッコ嵯峨駅舎に前夜泊まり、…
  2. “風感じ揺られ味わう京の四季 トロッコ嵯峨駅(京都府、嵯峨野観光線)”. 朝日新聞デジタル. 2011年8月30日. 2023年1月23日閲覧. 週1度の運休日は、本社のあるトロッコ嵯峨駅舎に前夜泊まり、…
  3. “風感じ揺られ味わう京の四季 トロッコ嵯峨駅(京都府、嵯峨野観光線)”. 朝日新聞デジタル. 2011年8月30日. 2023年1月23日閲覧. 週1度の運休日は、本社のあるトロッコ嵯峨駅舎に前夜泊まり、…
  4. 第28期決算公告、2018年(平成30年)6月14日付「官報」(号外第128号)110頁
  5. 1 2 3 4 5 6 7 『歴史で巡る鉄道全路線 公営鉄道・私鉄04』p17
  6. トロッコ列車、訪日客人気で年100万人超
  7. 1 2 3 『企業情報』
  8. 1 2 3 4 5 6 7 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
  9. 『民鉄各社紹介』
  10. 1 2 『鉄道ピクトリアル』通巻544号p.69
  11. 『会社案内』
  12. 1 2 3 4 5 廃止された路線を"観光鉄道"へ...人が集まらない所に、人を集めろ!! - テレビ東京 2012年5月3日
  13. 1 2 『ローカル私鉄車輌20年』p72
  14. 『歴史で巡る鉄道全路線 公営鉄道・私鉄04』p16
  15. 新たなトロッコ列車の車両デザイン等の決定について - 嵯峨野観光鉄道 2025年10月22日
  16. 『歴史で巡る鉄道全路線 公営鉄道・私鉄04』p32
  17. 嵯峨野観光鉄道「DEC743-1001」新たなトロッコ列車の牽引車を公開”. マイナビニュース. マイナビ (2026年6月16日). 2026年6月18日閲覧。
  18. 1 2 3 『19世紀ホール』
  19. 1 2 『嵯峨嵐山のD51、解体へ 屋外展示で老朽化、29日見納め 京都のトロッコ駅前』
  20. 京都創造者大賞 2011 - 京都ブランド推進連絡協議会 2024年6月29日閲覧

参考文献

書籍

  • 寺田裕一『ローカル私鉄車輌20年』JTBパブリッシング、2003年。ISBN 4-533-04512-X。 
  • 『歴史で巡る鉄道全路線 公営鉄道・私鉄』通巻4号「京福電気鉄道・叡山電鉄・嵯峨野観光鉄道・京都市交通局」(2013年3月・朝日新聞出版)
    • 「嵯峨野観光鉄道」 pp. 16-17

雑誌記事

Web資料

外部リンク