
三重県四日市市 大里町交差点付近

梅田新道交差点にある
大阪市道路元標(正面)
概要
国道25号は、三重県と奈良県の主要部を経由し、近畿地方の東西を結ぶ幹線の一つである。三重県四日市市と大阪市を結ぶ一般国道であるが、この現道に並行するバイパス道路として、三重県亀山市から奈良県天理市間を結ぶ無料の大規模な自動車専用道路部であり、北ルートの名神高速道路と並んで南ルートとなる高規格幹線道路のことは、通称「名阪国道」の名で知られる[1]。2桁国道であるが、後述の「非名阪」と呼ばれる区間と御堂筋部は指定区間外である。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[2][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
- 起点:四日市市(大里町交差点 = 国道23号交点)
- 終点:大阪市(北区、梅田新道交差点 = 国道1号・国道176号終点、国道2号・国道26号起点)
- 重要な経過地:鈴鹿市、亀山市、三重県鈴鹿郡関町[注釈 2]、上野市[注釈 3]、奈良県山辺郡都祁村[注釈 4]、天理市、大和郡山市、同県北葛城郡王寺町、同県生駒郡斑鳩町、柏原市、八尾市
- 総延長 : 230.8 km(三重県 114.6 km、大阪府 13.0 km、大阪市 14.9 km、奈良県 88.4 km)重用延長を含む。[3][注釈 5]
- 重用延長 : 33.9 km(三重県 31.0 km、大阪府 - km、大阪市 - km、奈良県 2.9 km)[3][注釈 5]
- 未供用延長 : なし[3][注釈 5]
- 実延長 : 196.9 km(三重県 83.6 km、大阪府 13.0 km、大阪市 14.9 km、奈良県 85.5 km)[3][注釈 5]
- 指定区間:四日市市塩浜字八幡117番の1 - 大阪市浪速区難波中一丁目6番5(大里町交差点(起点) - 難波西口交差点)[4]
歴史
もとは、四日市市から鈴鹿郡関町(現:亀山市)まで東海道、関町から上野市(現:伊賀市)まで大和街道(加太越)、上野市から奈良市まで笠置街道、奈良市から大阪市まで奈良街道(竜田越)をそれぞれ継承する道路だった。その後の指定変更により、現在では伊賀市上野西大手町から大和郡山市小泉町まで全く異なるルートになっている。
東海道を除く区間は明治国道・大正国道には指定されておらず、国道に指定されたのは戦後である。これは、当時の国道が東京と各府県庁とを結ぶ道として指定され、三重県庁へは四日市市から伊勢街道、奈良県庁へは京都市から大和街道(奈良坂越)がそれぞれ指定されていたことによる。
年表
- 1952年(昭和27年)12月4日 - 大阪府大阪市北区 - 奈良県奈良市の奈良街道(竜田越)が一級国道25号として指定された。
- 1953年(昭和28年)5月18日 - 奈良市より東の大和街道(笠置街道含む)が二級国道163号大阪四日市線(大阪府大阪市北区 - 三重県四日市市(諏訪交差点))の一部として国道に指定された。
- 1964年(昭和39年)2月18日 - 名阪国道の建設に伴い、名阪国道に並行する主要地方道天理上野線および、国道163号のうち上野市 - 四日市市間が25号に編入され、四日市市側を起点とした。国道163号は残りの大阪市 - 上野市(現伊賀市)に縮小となり、大和郡山市 - 奈良市間は国道24号の単独区間となった。
- 1965年(昭和40年)4月1日 - 道路法改正により一級・二級の別がなくなり、一般国道25号となった。
- 1975年(昭和50年)4月1日 - 四日市市起点を国道1号諏訪交差点から国道23号大里町交差点へ変更した。
旧道
- 西名阪道路(現:西名阪自動車道)
路線状況
国道25号のバイパスである名阪国道は、三重県亀山市と奈良県天理市を結ぶ自動車専用の高規格幹線道路で、東名阪自動車道と西名阪自動車道という二つの高速自動車国道を結び、実質的には高速道路として機能している[7]。名阪国道に並行して、三重県四日市市と大阪市を結ぶ現道が東西に延びており、名阪国道は自動車専用道路であるため、旧道ともいえる現道区間も自転車・歩行者の通行を配慮して国道指定のまま残されているものと考えられている[注釈 6][7]。この現道区間は、いわゆる「酷道」であることから名阪国道になぞらえて「名阪酷道」と揶揄されることもある[7]。
四日市市・亀山市

三重県鈴鹿市小田町
起点・四日市市大里町交差点(国道23号交点)から大治田一交差点まで約1.5 kmの単独区間があるほかは、大部分が国道1号と重複する。この区間は交通量の多い対面2車線の道路で、大治田一の立体交差点では、国道25号の方が高架道(本道)で直進方向に進み、国道1号が側道に入って桑名・名古屋方面へ曲がる[8]。
名阪国道
三重県亀山市 - 奈良県天理市を結ぶ国道25号のバイパス道路。1965年(昭和40年)12月に暫定2車線で開通し、1980年(昭和55年)3月には全線の4車線化が完了[9]。自動車専用道路なので、125cc以下の二輪車(側車付きは除く)は通行できない。東名阪自動車道・西名阪自動車道とシームレスにつながっており[10]、一般国道ではあるが高速自動車国道なみの速度で走行する車両が多く、天理東IC - 福住IC間の通称「Ωカーブ」は、死亡事故が非常に多い国道区間と言われている[11]。
非名阪

(2020年1月撮影)
亀山 - 天理間には、高規格幹線道路として整備された名阪国道が走る一方で、これに並走する旧道も依然国道25号に指定されている。1962年3月の名阪国道制定に伴い、1962年5月に国道25号に編入された区間で、1965年12月の名阪国道開通に伴い、国道編入からわずか3年半で現道から旧道となった。この区間は、名阪国道ではない国道25号という意味で「非名阪」と呼ばれているほか[12]、酷道であるという意味で「名阪酷道」とも呼ばれている。
この亀山 - 天理間の旧道は三重県と奈良県が管理するが、2桁国道(旧・一級国道)でありながら酷道として知られており[12]、並行する名阪国道や周辺の県道と対比しても道路の整備状況は劣る[13]。急勾配・急カーブもある1.5 - 2車線幅の道路が続き、奈良市内など場所によっては乗用車どうしのすれ違いが困難な狭部もある[14]。伊賀IC付近のJR関西本線ガード下は高さ3.7 m制限の通行規制が敷かれている[15]。舗装状態も悪く、特にJR関西本線と並行して走る加太付近の区間が、採石場に出入りするダンプ車両が頻繁に往来するために鋪装が剥がれて無残な状態にある[8][12]。交通量の多い名阪国道と比べると自動車はほとんど走っておらず、交通量は極めて少ない[14]。奈良県天理市では天理ダムの堤体上を通過する道路が国道である[16]。
天理市から大阪府境

(2020年1月撮影)
天理市布留から東側は1.2車線程度の狭路であり酷道として知られていた(ただし奈良交通の路線バスも走る)が、2006年6月30日から国道指定を外れ天理市道となった。かつては、当該区間および天理市勾田町から東側の天理トンネル新道と名阪国道の合計3本の国道25号が並行して存在する区間であった。なお、当時の天理トンネル新道は勾田町から先は国道25号本道と接続しておらず、東側の天理ダム付近でのみ接続していた(2006年6月30日以降は勾田町から川原城町まで国道169号と重複指定されたため旧道と付け替わるかたちで本道と接続している)。
川原城町から西進すると国道24号との嘉幡町交点に至る。現在、嘉幡町交点から西方のファミリー公園前駅方面への奈良県道109号天理斑鳩線が延長されており、大和中央道との接続が改善された。
大阪府内
終点付近

南行き一方通行区間
大阪中央環状線と交差する亀井交差点付近で、八尾市から大阪市平野区に入る。平野東1交差点で大阪府道5号と合流し、従前の片側1車線の狭小な道路から、片側2車線の幹線道路となる。なお、平野東1交差点から柏原市国分の間の狭小区間を迂回するバイパスの建設が、2026年現在計画されている。
平野東1交差点から平野馬場東交差点付近にかけては、十大放射路線計画に基づいて敷設された平野旧市街を突き抜けるバイパスで、金融機関の支店が並ぶ。旧道の奈良街道は江戸時代の街路であったが、大阪市が旧平野郷町を編入する際に大阪市電の平野延伸を要求されていたことが背景となった。
東住吉区の桑津4交差点で、関西本線沿いに西進するバイパスと分岐する。バイパスは阿倍野区の附属天王寺小学校前交差点まで国道25号に指定された盲腸線である[注釈 7][17]。
現道は、桑津4交差点から四天王寺へ向けてやや北へ進路を取り、天王寺区の北河堀交差点 - 一心寺前交差点間で上下線のルートが分離する。上町台地を下った浪速区の恵美須交差点 - 戎神社前交差点間は紀州街道の一部区間。大国交差点で右折して国道26号との重複区間となり、難波西口交差点から幅44メートルを有する御堂筋となって6 - 8車線まで道路幅は広くなり[18]、終点である北区の梅田新道交差点に至る[17]。元町2交差点以北は南行き一方通行となっているため、起点から終点への完走は自動車では不可能である[18]。
別名
- 三重県
- 奈良県
- 竜田越奈良街道(大和郡山市・小泉町西交差点 - 大阪市浪速区・恵美須交差点)
- 大阪府
- 御堂筋(大阪市浪速区・難波西口交差点 - 大阪市北区・梅田新道交差点(終点))
バイパス
重複区間

三重県伊賀市上野丸之内
- 国道1号(三重県四日市市・大治田一交差点 - 亀山市・東海道関宿西交差点[5])
- 国道163号(三重県伊賀市上野農人町・農人町交差点 - 伊賀市上野西大手町・西大手交差点)
- 国道422号(三重県伊賀市上野西大手町・西大手交差点 - 伊賀市八幡町・八幡交差点)
- 国道169号(奈良県天理市勾田町・勾田町交差点 - 天理市川原城町・川原城町交差点)
- 国道24号(奈良県天理市・嘉幡町交差点 - 大和郡山市・横田町交差点)
- 国道168号(奈良県生駒郡斑鳩町・竜田大橋交差点 - 北葛城郡王寺町・本町1丁目交差点)
- 国道165号(大阪府柏原市・国分交差点 - 大阪市北区・梅田新道交差点(終点))
- 国道170号(大阪府柏原市上市・安堂交差点 - 柏原市大正・柏原駅下り交差点)
- 国道26号(大阪府大阪市浪速区・大国交差点 - 大阪市北区・梅田新道交差点(終点))
道路施設
橋梁
- 五月橋:非名阪区間の三重県と奈良県の県境を流れる名張川に架かる鉄鋼製プラットトラス橋。1928年(昭和3年)竣工[19]。国道25号上で供用されている橋としては最も古かったが[16]、橋の老朽化が進んでいるとして、2020年(令和2年)3月23日に新橋に切り替えられた。
- 薬師橋:名阪国道のオメガカーブ区間に架かる橋のひとつ。奈良市内にある。
- 中畑橋:名阪国道のオメガカーブ区間に架かる橋のひとつ。奈良市内にある。
- 昭和橋:奈良県斑鳩町と王寺町の町境を流れる大和川に架かる橋。
- 国豊橋:大和川に架かる柏原市内の橋。
- 百済橋:平野川に架かる大阪市平野区の橋。
- 道頓堀橋:道頓堀川に架かる大阪市中央区の橋。
トンネル
- 金場隧道:非名阪区間の亀山市内にあるトンネル。
- 関トンネル:名阪国道の向井ICの東に位置する、亀山市にあるトンネル。上下線それぞれに分かれ2本ある。
- 加太トンネル:名阪国道の伊賀ICの東に位置する、亀山市・伊賀市にまたがるトンネル。上下線それぞれに分かれ2本ある。
- 天理トンネル:非名阪区間の天理市内にあるトンネル。
- 金場隧道(東側)
- 天理トンネル(西側)
道の駅
地理
通過する自治体
交差する道路
※バイパスのうち、名阪国道については、当該記事を参照。
ギャラリー
脚注
注釈
- ↑ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
- ↑ 2005年1月11日、亀山市・鈴鹿郡関町が合併して、新:亀山市発足。
- ↑ 2004年11月1日、上野市・阿山郡阿山町・阿山郡伊賀町・阿山郡大山田村・阿山郡島ヶ原村・名賀郡青山町が合併して、伊賀市が発足。
- ↑ 2005年4月1日、奈良市に編入。
- 1 2 3 4 5 6 7 2024年3月31日現在
- ↑ 他に国道指定のまま残されているのは国道4号と国道170号がある。国道4号の場合、新道・旧道共に直轄国道である。
- ↑ さらに西進すると国道43号の起点である西成区の花園北交差点に至る。
出典
- ↑ 松波成行 2008, pp. 26-27.
- ↑ “一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2019年10月30日閲覧。
- 1 2 3 4 5 6 7 “表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (XLS). 道路統計年報2025. 国土交通省道路局. 2026年4月2日閲覧。
- ↑ “一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年10月26日閲覧。
- 1 2 3 4 “三重県内“初”「関宿」へのアクセスがわかりやすい交差点名称へ” (PDF). 国土交通省中部地方整備局三重河川国道事務所 (2017年2月23日). 2017年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年3月2日閲覧。
- ↑ 浅井建爾 2015, p. 92.
- 1 2 3 鹿取茂雄 2018, p. 46.
- 1 2 渡辺郁麻 2008, p. 31.
- ↑ 名阪国道 - 中部地方整備局(PDF) 2019年1月18日閲覧。
- ↑ 佐藤健太郎 2014, pp. 13–14.
- ↑ 佐藤健太郎 2014, p. 36.
- 1 2 3 佐藤健太郎 2014, pp. 63–64.
- ↑ 渡辺郁麻 2008, p. 29.
- 1 2 渡辺郁麻 2008, pp. 29–30.
- ↑ 渡辺郁麻 2008, p. 30.
- 1 2 鹿取茂雄 2018, p. 47.
- 1 2 3 渡辺郁麻 2008, p. 28.
- 1 2 松波成行 2008, p. 101. 「いちばん太い一方通行国道」より。
- ↑ 佐藤健太郎 2014, pp. 63–65.
参考文献
- 浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。
- 鹿取茂雄(著)、磯部祥行(編)「国道25号〈旧道区間〉」『酷道大百科』〈ブルーガイド・グラフィック〉、実業之日本社、2018年12月28日、46 - 47頁、ISBN 978-4-408-06392-8。
- 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年。ISBN 978-4-06-288282-8。
- 松波成行、渡辺郁麻「国道25号」『酷道をゆく』、イカロス出版、2008年3月20日、ISBN 978-4-86320-025-8。