粥(チュック、朝: 죽)は、米などの穀類に多くの水を加え、加熱して柔らかくした料理である[1]。香ばしく消化が良いため、朝食や病気などで衰弱した人の食事として人気がある[2]。
本項においては、韓国における粥とその文化について述べる。
歴史
起源は不詳であり、相当に古い時代から食べられていたと考えられているが、文献における記録は朝鮮時代の料理書での記載事項が最古である[1]。様々な種類の粥が紹介されており、特別な客を接待する時には、8種類の粥を用意するのが習わしだった[1]。様々な味を楽しむ粥だけでなく、梅の花びらを入れて香りを味わう風流な粥もあれば[2]、民俗的な意味で用いられる小豆粥などもある[1]。
同料理書には「朝起きて粥を食べれば体によく、やわらかくて滑らかなので胃にもよい」ともあり、朝には粥を炊いて高齢の者に進呈する風習があり、宮廷料理から一般家庭まで広く普及していた[1]。喪中の隣人や親戚など悲しみのあまり食べ物が喉を通らないほど疲れた人には、食べやすいように粥を炊いて届けたともいう[1]。
種類

韓国は粥の種類が多く、人気の朝食メニューとして定着している[3]。また、カボチャ粥、牛乳粥、栗の粥、野菜の粥、米を炊いた白いお粥などは、幼児食にも適するとされる[4]。
また、寺院では、栗と蓮の実の粥、17穀の粥、もやしの粥、きのことエゴマの粥、あるいは、きのこと野菜の粥などが食べられている[4]。
そのほか、代表的な粥に次のようなものがある。
薬膳・滋養強壮の粥
伝統食の粥

小豆、緑豆、松の実、胡桃、黒エゴマなどの粥がある。なかでも鬼が嫌う色である赤い色をした小豆粥は、祭祀にも用いられる[4]。
- 小豆粥(パッチュッ)
- 厄除けに、冬至や祭祀の際に炊いて食べる[6]。小豆を茹でた赤い煮汁で米を炊いて粥にし、もち米の米粉で作った団子(セアルシム)を入れる[6]。冬至には、祠堂で祭祀を行った後、この小豆粥を家の各部屋や縁側や納屋に1杯ずつ置き、大門や壁にも匙(スジョ)で振りまいてから食べる。疫鬼を払うために冬至に小豆粥を食べる風習は、中国にも伝わっている[6]。
- 詳細はパッチュクを参照。
ことわざ
- 他人の話をするのは冷めた粥を食べるに等しい
- 他者のまちがいを指摘するのはとても簡単だという意味。粥はもともと食べやすく、かつ、冷えた粥は飲めるほど食べやすいことからの喩え。
- すっかり炊いてしまった粥のようだ
- 結果がどうであろうと、すでにこれ以上どうしようもないという意味。粥はいったん炊いたら、出来不出来にかかわらず、それ以上どうともしようがないことの喩え。
- もらった粥で頭が痛い
- たとえ粥の1杯でも他人におごられると気まずくなることから、つまらないものでも他人のものをもらうのは重荷になるという意味で使われる。
- 粥を炊いて冷ます時間がもどかしい
- あることを成し遂げようとするとき、ゴール寸前のわずかな時間が苛立たしいという意味。粥は材料がすべて柔らかくなるほど炊かなければならないので時間のかかる料理だが、その調理にかかる時間を待つよりも、出来上がった後の食べられるように冷めるまでの少しの待ち時間のほうが落ち着かないことの喩え。
脚注
参考文献
- 国立国語院『韓国伝統文化事典』教育出版、2006年
外部リンク
- 「韓国の健康食- 韓粥」 講演会及び試食展示会開催 - 駐日韓国文化院